今はDMとして中部北陸地域の7県38店を円滑に運営していくために、「ヒト・モノ・カネ・時間・情報」をマネジメントしています。店舗ごとの問題点を抽出し改善を進めていくには、各店舗での人財教育が大切ですので、かつての店舗マネジメントと同じように、今も1,000名ほどのクルーと日頃からできる限りコミュニケーションを取るよう心がけています。
なか卯ではSM→SI→AM→BM→DM→GMと職位が非常に明確です。そして職位が上がっていけばどうしても部下の数が増えていくので、それまでと同じようなコミュニケーションを重ねていくことはむずかしくなっていきます。SMやAMであれば自店へ行けばクルー皆に会うこともできますが、DMになってエリアが広がると、すべての店舗でクルー一人ひとりに対して、どのようなコミュニケーションや指示を出したのかおぼえておくことはなかなかできません。それでもやはり一人ひとりと向き合いたい。なので、記録をちゃんとつけて、それを見て思い出しながら、そのクルーが入っているシフトも確認して店舗に臨店し、声をかけることを心がけています。
もちろん仕事は声かけだけではありません。担当全店舗の膨大な数字からさまざまな要素を読み取り、各店舗の立地や主要な来店客層、周辺で開催されるイベントなど、諸条件と合わせて経営状況の傾向をつかみ、課題があればすぐに改善に向けて策を講じなければいけません。すべてを自分ひとりで行うことはとても無理なので、部下といかに連携しながら施策を浸透させていくかが大きなカギとなります。こちらの考えがスムーズに伝わり、改善が上手くいけば数字に反映していくし、何よりクルーの皆さんに成長を実感してもらうことができます。そうして喜びを共有していけるのが一番の喜びですね。

クルー一人ひとりのことは当然部下からヒアリングしますが、それらの情報はすべて手元で確認できるようにしています。一人ひとりの個性やスキルなど、これまで話したことを振り返りやすいように店舗ごとにまとめ情報を管理し、約1,000名のクルー一人ひとりと真摯に向き合うことを心がけています。
月の初めや週の初めには、各店舗に対して目標数字を立てて、こういう風にしていこうという方針を共有します。当然、狙い通りにいかないこともありますが、その場合は問題点を見つけて対策を立てて、そのために何をすれば良いのかを皆で考えスムーズに実行していく。
そのためのディスカッションは必ず現地でその店のクルーと一緒に行うように日頃から意識していて、互いの意見を出し合って相互理解を深めるようにしています。なか卯の良さは、上司と部下が信頼で結ばれフェアに話し合えるような、人と人のつながりにあります。今後、DMとして今以上に数字に対してシビアに向き合ったり、各地域の情報収集にカを注いだりとやるべきことはありますが、そのベースとなるコミュニケーション術をしっかりと高め、もっともっと皆と一緒に喜べる体験を味わっていきたいと考えています。